2020-01-01から1年間の記事一覧

2020.12.30

今年はたくさん時間があったので、たくさん本を読んだ。今までの読書とは全然違う体験で、思い返して考えると、沈んだ という感覚がしっくりする。選り好みせず読むようにしたら海外文学の愉しさも知れたし、短歌にもたくさん触れた。あと、絶対に川上未映子…

2020.12.23

バイト先でストロベリーダージリンを買ったら案の定あたりだった。いちごのフレーバーティーは外さないね、後味の、例えばアッサムとかルフナとか、強い紅茶の残すいやみな感じの主張がないのもいいです。もう一度くらい買ってもいいなあ ナツヨノマジックの…

2020.12.16

バイト先の店長に、しばらくシフトの提出を土日だけにすると伝えた。実は今日同じことを夢で見たのだけれど、さいきん現実的な夢ばかり見るので、夢より前からシフトのことを考えていたのか夢を見て土日だけにしようと思いついたのかわからない。あまりに現…

2020.12.15

エレベーターに乗って、二十五階に着くやいなや、わたしはいちばん近くの窓へと狂ったように突進し、そこから身を投げて通りへ墜落した。わたしの落ちたのは一本の豊かな木の葉っぱのなかで、枝やら葉やらがふわふわするいちじくの木みたいだった。ばらばら…

2020.12.12

みんな死んじゃえばいいのに、そしてあたしが死体の上を歩いているならすてきなのに。 ___シャーリイ・ジャクスン/市田泉訳『ずっとお城で暮らしてる』 わたしにも全員が敵の世界をくすくす笑いながら一緒に生きてゆく姉がいたらいいのに いない 少女らの微…

夜警

川谷絵音の誕生日にindigo la Endのライブを観に行って信じられないくらい心が満たされてしまった。おどろき。インディゴのライブに行くたびに、じぶんがインディゴのことをほんとうに好きだなんてことはじぶんでわかっているつもりでいるのだけど、それより…

桃その2

夏に読みたかった桃についてのことば 桃果の腐敗しやすさのことを考えると胸が一杯になって、にがい胃液がこみあげて来て、気持が悪くなってしまう。指に触れられただけで、指の腹の圧力で押れた微かなへこみから、まるでその指に付着していた菌におかされた…

2020.11.25

前回、短歌では死と水面が近いと書いたら、ナルキッソスからきているんじゃないかと教えてくれたひとがいて、納得するきもちより先にそれを思いついて教えてくれるひとが近くにいることにすっかり嬉しくなっちゃった。わたしなんかはオフィーリアを思い浮か…

2020.11.13

いつも同じ悪夢にうなされる人は、その夢を映画に見立て、もし自分がシナリオライターならどんな結末を選ぶのかを考え、脚本を書くといいらしい。次の段階としては、どんな夢でもいいから夢を見たら、その夢の中で、「今、自分は夢を見ているんだ」と意識す…

反出生その2

今朝は歯列矯正の調整。早く着いたのでコーヒーを飲んでる。私のほかにお客は仕事をしている男性がひとり。慣れない街のカフェで座って何か飲むとか緊張するなあ。夕方はインフルエンザの予防接種。今日から冬というわけ。 — 川上未映子 Mieko Kawakami (@mi…

『カミーユ』/『リヴァーサイド』

きのう夜眠れなかったので歌集を読んでいたら余計に目が覚めてしまったよ あしあとにつきのひかりがしみてくるここをすぎればわたしのきしべ 犬の死骸に肉と土とが崩れあう夏。いつまでも眼だけが濡れて 追うというより追いつめてしまうから琵琶湖に赤い月が…

2020.10.30

「なんで君はある金全部を使ってしまうの」とユキヲは言うのだが、どうやって金の始末をうまくすればいいのか、私には見当もつかないのだ。少なければ少ないなりに、多ければ多いなりに、私はいつでもぴたりと使いきってしまう。体が、あり金にあわせて伸び…

2020.10.25

大体、傍若無人、冷酷無比という場合も、潜在的には脅威を感じているので、それで反動的に余計にそのような態度に出るのであると解することも可能である。すなわち、人を食った態度、呑んだ構え、なめた振りというのも、そのような拾好をすることによって逆…

2020.10.16

家父長制は愛の反対語だというベル・フックス(アフリカ系アメリカ人のフェミニスト)の言葉をよく思い出す。家父長制に服従すればするほど、人は他者を愛し愛される力を失う。家父長制の権威主義、女性を男性の所有物以上にも以下にも見ない考え方、女性の考…

2020.10.13

池澤夏樹が詩は耳で楽しむもの、耳できいてすぐにわからない熟語は使わないようにすると言っていて、確かに詩は耳から入るのと読むことでは感触が違うしもっと朗読会とかあるといいなと思いました。飽きたら読むのやめていい言ってもらえると気が楽になるね…

2020.10.6

コロナの自粛で読む愉しみというのを知ったなと最近思います。今まで選り好みしていたけれどやっぱり定評のあるものはそれなりにおもしろいし、SFもおもしろいし(幻想文学なんかはSFとか避けてたら絶対に読まなかった)、海外文学とかは2020年上半期の10冊み…

2020.10.2

ストーリーオブマイライフ観た。たくさん泣いた。ジョーはわたしだと思った、だからストーリーオブマイライフというタイトルなんだね… ジョーが、反省したことをノートに書き留めるのに忘れてしまうわたしは頭が悪いというシーンに一番共感した。そのあとお…

同化、究極の所有

松浦理英子の『奇貨』に収録された「変態月」を読んで、上野千鶴子も言っていたけれどやっぱり殺人は究極の所有なのだよなあと思った。 ひとりのひとに対して愛情とか羨望とかそういう欲を持つと止まらなくなるとか、執着に変わるとかそういうのはわかりやす…

aikoとそのまわり

晴れていたので久々にaikoを聴いてみたらつらいこと重なった大学1年の冬のきもちが蘇ってきてつら〜となった。あるアーティストがひとつの思い出と結びつくのはまだよくて、ひとなんかと結びついてしまうのは避けた方がいいのだなあ。音楽と記憶の関係という…

2020.9.26

今手元にあるイヤホンがゲスのメンバーが喋るもので、川谷絵音は「電源、オン」というのですが、早く耳につけないと聞き逃してしまうので、それを聞き逃すまいと躍起になるまいにち ルピシアに紅茶を買いに行った。やっぱりアッサムは切らしてはいけなくて、…

新宿

昨日からindigoを全曲シャッフルにして聴いている。このあいだインストのアルバムも出たのでそれに入っている曲はAメロ始まるまで歌があるのかないのかわからなくて、まあ聴き流しているのでだいたい気がついたら歌はじまっていたりしてあるときあれっインス…

2020.9.19

バイト先のひとがみんな大好きで、最近バイトは行くたびにミスをしていて留学前からそうだったけれどよく解雇宣言をされないなというくらいミスを頻発、それでも許してくれる社員さんに申し訳なくなりつつも仕事やじぶんがいやになってやめないのはバイト先…

2020.9.18

自分の勘違いや小さなミス重ねてじぶんきらいきらい人生すべて恥はやく死んでしまいたいなぜ生きていて恥ずかしくないのかどうして周りに害をかけてばかりなのだ死ぬべきなのだそれなのに生きているのだということをまた忘れてしまったのと無気力になってい…

川上未映子と多和田葉子

青木は、雪国、という昔の日本の小説の、<国境の長いトンネルを抜けると雪国であった>、という書き出しをお母さんに見せて、この文章の主語はなんだと思いますかと聞いたのです。これは、とても素敵な文章で、この文章だけは他の国の言葉にはうまく訳せない…

2020.9.9

アプルミュ ピ穴 ピエボナ お友だちたちが使っているおもしろい略語 そんな程度の事をしかも他人に意地悪でされたくらいで、なんで、そんなにひ弱く落ち込むのだ。私なんか産みの母にはもっと気のきいた意地悪を何十年もされ続けていて、しかも母にはひとか…

読む本をじぶんで見つけられない/読書ノート

これはずっと言っているけれど、最近本当に自分で読む本を選ぶことができなくて、江國香織のムックで紹介されていた本(ナタリア・ギンズブルグ『ある家族の会話』)とか松浦理英子の小説の解説に出てきた本(笙野頼子『母の発達』)とか川上未映子がTwitterで紹…

『富士日記』上巻

ちょっと前から『富士日記』を着々と読み進めている。武田百合子は武田泰淳に言われてしぶしぶ書くことを始めたようなことをどこかで読んだけれど、それにしてはいい文章で、どうしてこんなにみずみずしい文体なの〜って読むたびに思う。 五月八日(土)晴 (略…

2020.8.29

このあいだ頼んだ本がポストに入っているのが家の前の階段登る前から見えてるんるんでポストに向かったら、お友だちからの残暑見舞いも届いていてうれしかった。お返事書こうと思っていたらその前に「かわいい便箋買ったので」、とさらにまたお手紙届いてほ…

『ぬるい眠り』(蛇/夢)

江國香織の『ぬるい眠り』読み返したら(「ぬるい眠り」に)結構切実に共感できることが多くて嬉しかった。 だいたい私は寝不足なのだ、と、歯をみがきなぎら私は思った。疲れているからあんな夢をみたのだ。疲れているから泣いたりしたのだ。 無気力から抜け…

桃・夏

缶詰の桃にちいさな窪みあり人がまなざし休めるための ___服部真理子 夏、桃があることだけが美点なのではないかと思ってしまう。最近桃使ったアイスとかケーキとか見ると全部食べたくなる、桃のタルトも桃のフラペチーノも桃のクーリッシュもおいしかった。…