2020.11.13
いつも同じ悪夢にうなされる人は、その夢を映画に見立て、もし自分がシナリオライターならどんな結末を選ぶのかを考え、脚本を書くといいらしい。次の段階としては、どんな夢でもいいから夢を見たら、その夢の中で、「今、自分は夢を見ているんだ」と意識する練習をする。そして、また問題の悪夢を見たら、夢を見ている自分を自覚し、自分の書いた脚本の結末を思いだす。そうすれば、いつもの悪夢が悪夢にならず脚本通りに終わる、ということが帰りの飛行機の中で読んだ雑誌に書いてあった。
___多和田葉子『言葉と歩く日記』
最近目覚めるタイミングで見ていた夢を日中突然思い出して、これは夢だっけ現実だっけ、忘れちゃいけないことではないっけ と焦って考えてしまうことが多くて、夢、煩わしい
ただ生きているだけでいい?こんなにも空があおくて水がしずかで
水面の眠そうな顔ゆらゆらともうこの世では会えないのです
___東直子
死に顔がやけに綺麗で水のなか見るやうにして幾度ものぞく
みづうみに沈む瞳を覗き込みこれでいいかと確かめてゐる
___飯田彩乃
短歌では死と水面がちかいね