2020.10.16

家父長制は愛の反対語だというベル・フックス(アフリカ系アメリカ人フェミニスト)の言葉をよく思い出す。家父長制に服従すればするほど、人は他者を愛し愛される力を失う。家父長制の権威主義、女性を男性の所有物以上にも以下にも見ない考え方、女性の考えと自由を奪おうとする試みは結局、誰にとっても幸福をもたらさない。

___「作家ノート」(チェ・ウニョン)『韓国フェミニズム小説集 ヒョンナムオッパへ』

 

まず物書きには二種類ある。テーマがあるから書くタイプと、書くために書くタイプだ。第一のタイプは思想や経験があり、それらは伝えるに値するものだと考えている。
第二のタイプはお金が要るので、お金のために書く。書くために考える。できるかぎり長々と考えをつむぎだし、裏づけのない、ピントはずれの、わざとらしい、ふらふら不安定な考えをくだくだしく書き、またたいてい、ありもしないものをあるように見せかけるために、ぼかしを好み、文章にきっぱりした明快さが欠けることから、それがわかる。ただ紙を埋めるために書いているのが、すぐばれる。

ありふれた凡庸な人間でも、その人にしか手に入らない素材を取り上げれば、素材のおかげでたいへん重要な本を生み出すこともある。たとえば遠い異国の描写、めずらしい自然現象や行った実験の報告、自分が目撃した出来事や、資料を探しあて手間ひまかけて特別に研究した歴史の記述などだ。

___アルトゥール・ショーペンハウアー/鈴木芳子訳『読書について』

 

『はちどり』観た。ウニ(ウニという名前かわいいね)のお姉ちゃんが「わたしには得意なことがひとつもない」と言っていた。わたしも得意なことはひとつもないから、まじめに就活をして、働いて、生きていけるようになる。自分のために生きなきゃいけない。自分のことは好きじゃないけれど自分の決断はひとつも間違いではないと思って生きていきたい。

 

indigo la Endが解散したらそのときは死にたいなと思う。本読むのも好きだけどどうしてもだめなときに救ってくれるのはいつもindigo la Endの音楽だよ