『ぬるい眠り』(蛇/夢)

江國香織の『ぬるい眠り』読み返したら(「ぬるい眠り」に)結構切実に共感できることが多くて嬉しかった。

だいたい私は寝不足なのだ、と、歯をみがきなぎら私は思った。疲れているからあんな夢をみたのだ。疲れているから泣いたりしたのだ。

無気力から抜け出したあとになら、暗い気持ちになってしまうのは寝不足のせいだってできるよね。寝不足はこわい

ピーチネクターがのみたい、

と思った。そう思って、少し笑った。よかった。私の心はそれでもまだこんなに元気だ。

ほんとうにつらいときは好きなものすらなんの役にも立たなくなってしまう

 

『ぬるい眠り』を初めて読んだのは4年前の8月。短編集だってこと忘れているくらい記憶に残っていなくて、読書ノート見返したら信じられないくらいうすっぺらい感想しか書いていなくて笑っちゃった。読書ノートは高1のころから書いていて今5冊目なのだけど(今年に入ってから読むペースが上がっているのでどんどん増えてる)、読み返すとこんなこと考えていたの? というのとかあって面白い。今年の2月に初めて川上未映子を読んだときの感想には「無情〜のような小説を書くのかと思っていたけれど、どうやら違ったみたい。」とあって、川上未映子にどういうイメージを抱いていたの? と聞きたくなる。

 

「ぬるい眠り」では雛子が突然現れた蛇に苦しめられるシーンがあって、すごく安直だけれど『蛇を踏む』を思い出した(あれは結局蛇がなんだったのかわからなかったけれど)。「清姫伝説」にも蛇は嫉妬の象徴として出てくるらしい。

 

『ぬるい眠り』の話のつづき。

ともかく、夢がリアルなのだ。あまりにもリアルなので、夢の中でエネルギーを消耗しすぎて、目がさめたときにはつかれはてているのだ。

武田百合子も夢のこと書いていたなと思って読み返した。

「夢」という題をあてがわれたので、このように覚え書してみた。眼がさめたはわかりの、ほんの短い間は、夢のすじを逐うことが出来るけれど、さて起き上がって体をタテにすれば、たいていの夢のすじは消えてしまう。それで、枕もとに鉛筆と紙を用意し、なるたけ頭や体を動かさず、脳味噌を揺らさないようにし、横臥のままで、いましがたの夢を書きためた。いく日か続けた。すると、へんにくたくたになってきて、こういうことをずっと続けていると、頭や体にはよくないように思った。

___『ことばの食卓』

夢は無理に残そうとするとその人を蝕むというのをどこかで読んだのだけれど思い出せない。夢ってなんなのだろうね

 

 

砂浜に寝ころび、砂をつかんで、指のあいだから黄色っぽくやさしいひとすじがこぼれ落ちていくにまかせ、<砂は時間みたいに逃げていく>と思ったり、<それは安易な考えだ>と思ったり、<安易な考えは楽しい>と思ったりした。なんといっても夏だった。

___『悲しみよ こんにちは』フランソワーズ・サガン/河野万里子訳

夏終わりそうでうれしい。でも夏終わる前に『夏に抱かれて』も読みたい。ほかに夏のあいだに読みたいと思っていた本はあったっけ。

 

ずいぶんとっ散らかったアウトプット!