2021年上半期に読んでよかった本

1年前のブログを見返してみると、U-NEXTすら渋ってトライアルの時期に観たいもの観切ろうとしている。去年は本に惜しみなくお金を使うことを覚えた年で、今年は映画に惜しみなくお金を使う年かもしれません。今週は4日で計6本の映画を観たし、二本立ての楽しさも覚えてしまった

 

2021年上半期に読んでよかった本のはなし

 

倉橋由美子『大人のための残酷童話』、『パルタイ

去年の春に「パルタイ」で倉橋由美子の存在を知ったのだけど、そのときはまだわたしが倉橋由美子作品を愉しく読めるにんげんではなく、1年越しになんとなく手に取ったら今度は嵌りました。以前も書いたけど松浦理英子の初期作品に似たものを感じることがあって好き。あと適度な毒

 

多和田葉子『飛魂』

固有名詞で漢字が象形文字であるという特徴をうまく使っていてさすがだなあとなった。今年読んだ多和田葉子はあと『球形時間』も好きだった。

 

最果タヒ『恋人たちはせーので光る』

ブックオフで見つけたので買った本。タヒさんはいつか全部読むのだろうなとは思っています。みんな大好き「夏の供養はナンバーガール」で始まる詩はこちらに収録されております。

 

サラ・サリー/竹村和子訳『ジュディス・バトラー

バトラーを読みたいけれど思想哲学系は慣れないと頭に入ってこないつらさと闘いながら読んだ。後期に言語態研究という授業で『ジェンダー・トラブル』を扱うらしいのですが、その前に、バトラーの文章そのものが実験であるとか、悪文で有名だとかを知っておけたのでよかった。

 

川野芽生『Lilith

去年出た作品だと思うのだけど、詩歌読みのみなさまのあいだで話題だったのでこれは必読なのだろうなと思い…。幻想短歌、というジャンルがあるとするならばそれ。今まで読んだどの歌集とも違う特色があった。

 

松浦理英子『犬身』

あんなに分厚いのに読み切ってしまったところからこの作品がどれだけ面白いかわかってください! おもしろいです。松浦理英子なので。

 

高柳誠『フランチェスカのスカート』

去年読んだ『無垢なる夏を暗殺するために』が好みで、今年も新刊が出たと知り紀伊国屋書店でお迎え。高柳誠の詩は全体でストーリー仕立てになっているのが好き。

 

挙げてみると外国文学をまた読まなくなったことがよくわかります…卒論もあるので意識して韓国文学読みたいです。韓国の小説、まだまだ基本単行本買わねばなので出費が大きいのだよね…(と、歌集をばんばん買っている身でなにを)

 

 

おまけ。クローネンバーグの二本立てのうちのひとつ、『クラッシュ』が結構好みの映画で、ホリー・ハンターに惚れてしまった。また観たいなあ。

それにしても最初のシーンの事故はとても綺麗だった。あんなふうに向かいの車の運転手が助手席にまっすぐ飛び込んでくることなんてないでしょう