川上未映子のはなし

わたしがさいきん川上未映子川上未映子うるさいので友だちが川上未映子について書いてと言ってくれた、しばらくうーんうーんと頭を悩ませていたのだけど友だちの文章を読み返したら「川上さんについてひたすら語っているものを読んでみたい」だった、語っていいのか! わーい、絶対にまとまらない文章になるので距離を置いて話したいところ

 

初めて川上未映子を読んだのは今年の2月、実はまだ出会ってから4ヶ月しか経っていないわけで、こんなに好きなのはすごい。最初に読んだのは『ヘヴン』なのだけど、この小説が川上未映子のどこに位置しているかわからないし、というかそもそも川上未映子の作品がどういうものなのかわたしのなかでずっと咀嚼の足りない感じがしているので『ヘヴン』とか『すべて真夜中の恋人たち』(これは「すべまよ」と略すらしいよ、かわいいね)とか読み直したいと思っている。川上未映子、何から読んだらいい? と訊かれたら芥川賞を取った『乳と卵』も本屋大賞の候補作に選出された『夏物語』も個人的に最初に読む川上未映子としてはちょっととっつきにくいかもしれないと思っていると言おうとして、や、デビュー作がいちばんとっつきにくいなと思ったのでみなさんはじめての川上未映子に『わたくし率 イン 歯ー、または世界』を選ぶことはお勧めしません。わたしはこの作品で一気に川上未映子を好きなったのだけどね。

 

川上未映子の作品をまだ理解しきれていないみたいなことを言ったけれど、じゃあどうしてこんなに大きな声で川上未映子を好きと言えるのかというと、川上未映子の人柄に惚れ込んでいるからなのです。川上未映子は外からは絶対に崩されないような何かがある感じがしてそれがとても好き。

 

川上未映子はエッセイもたくさん出していて、これがとってもおもしろい。関西弁でテンポが良いのに加え、割となんでも赤裸々に書いているので(これも関西の人の性格と言える気がしなくもない)未映子さんの凛とした佇まいのとのギャップがすごい。『りぼんにお願い』を読んだ友だちが「これは女版のあなただ」と教えてくれたので読んだらなんだか言わんとしていることがわからないでもなかったのでとっても嬉しかった。川上未映子になりたい。

そして某出版社の担当女性がしばらくみないうちに、なんていうの、ゆるふわ、っていうんですか、くるりとしてあはん、みたいな、いわゆるいい女風の髪型になっていてどうしたのかと追及したところ、エアウェーブというものをかけたというでないの。

『りぼんにお願い』から。「くるりとしてあはん」がさいこうにすき

先日、目覚めたら絨毯のうえに水の入ったラーメン鍋と袋がちぎられて齧りかけのインスタント麺が転がっている、ということがありました。

これは『世界クッキー』。未映子さんは酒癖が悪いらしい。同じ作品からもうひとつ、

このあいだ私は、喫茶店でお茶を飲みながら、あっ。このお店にいる人が全員もれなく、頭蓋骨を所有しているのだ! という当然のことにはっと気がつき、驚いて、動けなくなりました。

これにピンと来た人は『わたくし率〜』から読み始めてもいいかもしれないね。

 

川上未映子の強さは割とSNSを見ていればすぐに感じられることで、例えばあるとき川上未映子阿部和重の「おれだって アメリカを歌う」ではじまる作品をインスタのストーリーにあげていて、政治的/社会的(この場合は社会的)できごとに関する思想が近い/思想に共感し得る人がパートナーであるのは強いなと思った。挙げたらキリがないけれど、わたしは日々川上未映子の発信することに励まされていて、だから、頻繁に未映子さんの思想に触れることのできる環境を提供してくれているSNSに感謝しなくてはいけないね。

つづく