2021年のベストいろいろ

本(下半期)

青野聰『母と子の契約』

代々木上原の古本屋ロスパペロテスで出会った。タイトルからして地雷臭満載で、気持ちよく心を痛めながら読んだ。羊が幼くて自他の善悪の区別ができないからこそ洋だけがあの母に捕まってしまったのだろうね。ロマンチストの羊ちゃん…

笙野頼子海獣|呼ぶ植物|夢の死体』

上半期の倉橋由美子の流れを継いでお気に入りの幻視小説。完全に夢想のお話し(幻想小説)より、適度に現実的なものと入り乱れるのが好きなのだと改めて気付かされた。

武田百合子富士日記(中)』

どんなに辛いときでも読めるので全信頼を寄せている『富士日記』。いま下の半分くらいまで読んでいる。来年は他の武田百合子も読みたい。

上野千鶴子鈴木涼美『限界から始まる』

書簡体で読みやすく、フェミニズムに関係するあれやこれやの知識をつまみ食いするのにちょうどいい本。上野千鶴子は商業的な場のときが一番冷静な気がする。知識人が性産業についてフランクに(?)話しているものを読めるのもなんだか貴重だなーと思ったり

濱野ちひろ『聖なるズー』

動物と人間の性愛のものがたり。異性愛(しかも家父長制に大人しく従う)しか許容されない日本社会で、この本が拒否反応を示さず受け入れられるようになるまでにどれくらいかかるのだろう、と考えてしまった。

笹原玉子『われらみな神話の住人』

言うことなし。笹原玉子なので…。何度も言うけどみんな笹原玉子の『偶然、この官能的な』読んでね。わたしのなかで笹原玉子を超える好みの歌人に出会える気がしない

ジュリア・クリステヴァ『斬首の光景』

授業でインターテクスチュアリティ習うからと借りたんだけど、もっとインターテクスチュアリティに関係あるクリステヴァの本別にあるでしょと今は思う。ワクチンの副反応にやられているあいだにうつらうつら読んだ。結局『ことば、この未知なるもの』とかと一緒に買った。

 

映画

デヴィッド・クローネンバーグ『クラッシュ』

間違いなく出会ってよかった映画。松竹が宣伝で使っていた画像のホリー・ハンターに一目惚れして観に行ったのですが、そのホリー・ハンターにすっかり魅了されてしまった。話の筋もはらはらするようなフェティシズムでわたしの愉しめる範囲のスリルがよかった。Blu-ray買ったくらい気に入った。

ジャン=リュック・ゴダール『男性・女性』

わたしにジャン=ピエール・レオを教えてくれた映画なので。これ観たの今年頭? はるか昔のことみたい

フランソワ・トリュフォー夜霧の恋人たち

ドワネルシリーズでいちばん好き。レオがかわいいので。レオってトリュフォーが育てたんだなってなる

濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』

心地よい3時間。わたしはセラピーの話として受け取った。濱口の映画の無音の時間が好き、安寧

エリック・ロメール冬物語

今年もたくさんロメールを観た。直近で観たのが四季物語で、そのなかでいちばん好きだった。周りに何を言われても運命だと思う相手を待ち続けるロマンチックさも、いざ再会したときに早とちりで逃げ出してしまうのも、それでも相手がしっかりと追いかけてきてくれるのも、全部ロメールらしい。

 

もの

リブタイツ

祖母から譲り受けたチェックのプリーツスカートに合わせるのにおすすめされたのだけど、一足買って気に入ったのでもうひとつ買ったくらい。靴下屋のアッシュグレーが光加減で紫ぽさもあってすごくかわいいです

Burleigh グリーンアジアティックフェザンツ カップアンドソーサー

繊細な柄で一目惚れ。色は迷ったけど落ち着いているのが欲しくて緑に。プラムもかわいいのでいつか揃えたい。厚めだし模様の外にコーティングされているので普段使いしやすいのが嬉しい

ラ・フランスダージリン

バイト先の紅茶。ダージリンをフレーバーにしたものはいつも間違いなくおいしい。

logiのマウス

トラックボールなるものがついていて、在宅バイトの効率が上がった。余っているキーに好きなコマンド割り当てられたりしてすごい。作業が右手で全完結。

パソコンの入るかばん(トートバッグでない)

ずっとちぎれそうなグロッシアーのノベルティトート使っていた。新しいのはしっかりしているしかわいい服にも落ち着いた服にも合うので重宝している

SAILOR プロフィットJr.万年筆

字を書くのが楽しくなった。これで安心してインクを買えるし!

 

考えることを疎かにした下半期な気がする。特に卒論が始まってからは全然本を読む時間を取れなくて、注意散漫になった感じ。1月はレポートも英検も卒論もあって、バイトもたくさんしたいし、また余裕のない1ヶ月になりそう。