2020.7.20

絶望的になんのやる気も起きなかった時期からは脱出した、あれはすべての悪いタイミングが重なったのがいけなかったね。気持ちが落ちると文章を書きたくなるのは如何なものなのか

 

輪読でひとりひとつ作品を挙げなければならなかったので三枝和子の「野守」を選んだ。受講生8人のうち男性は1人だけで、その人が「理解のあるつもりでいたけれどちくっとするところはあった」と言っていて、フェミニズムについて考えるとき主体の性別が関わってくるのをどう扱っていいのかやっぱりわからないなと思った。でも考えてくれる人、それを言葉にして出せる人が男性でいるというのは結構心強いというか、本当はそういう人が当たり前になるべきだという理想は置いておいて、ありがとうという気持ちになると同時にでもあなたはやはり社会で男として生きていけるのでしょう、と思った直後にわたしだって女じゃないかとか終わりのない思考が始まり結局感謝の気持ちになる、そういう人の存在がまずは大事。

 

このあいだ倉橋由美子が「パルタイ」を「カフカカミュサルトルの三位一体」と言っていて、こりや次元が違うわね、と思っていたのだけど、三枝和子も「サルトルカミュカフカなどのフランスのアンチ・ロマンの影響を受けている」と書かれていて、もしかしたらこの時代の作家を楽しむにはフランス文学に触れた方がいいのかなと思いながら手を出せずにいる。文学部だったらこういうのって授業で教わるのかな、とか考えたりもする

 

今回のビブリオバトル川上未映子の小説を扱ったら「三枝和子もそうだけど、フェミニズムに興味があるの?」と教授に言われてひやっとした。知識のないフェミ! つつかれたらどうしようと思ってしまうのが本当に情けない。

 

 

やっぱり最近短歌を読むのが楽しい。詩は朗読ばかり聴いていて、それは他人がリズムを作ってくれているからなのかもしれない。言葉にリズムのあるのが好き。このあいだすごくテンポのいい文章に出会ったので引用しておく

 

すべてを分かち合わないと気がすまない。何から何まで知りたがって、もう息が詰まりそう。だからあの小庭園の噴水のわきでああなったとき、別れるしかなかった。別れなければ共倒れ、二人そろって身の破滅。絶対にそう。

___『ダロウェイ夫人』ヴァージニア・ウルフ/土屋政雄

「別れなければ共倒れ、二人そろって身の破滅。」ここのテンポが良すぎて笑ってしまったし、「絶対にそう。」という言い回しはわたし自身がよく使うのでなんだかさらにおもしろかった

 

 

書くのを楽しみにしていた授業のレポートがなくなってしまった。負担はなくなったけれど教授とのやり取りをもっとしたかったので残念な気持ち。意外と残っているレポートはあと3つ、テストが2つ。8月中に免許を取ってしまいたい