2020年上半期の本

ジヴェルニーの食卓/原田マハ

睡蓮を装丁につかうのはずるいよね。単行本を持っているけれど本屋さんで文庫を見かけるたびに文庫も欲しくなる。

原田マハはあなたもその場にいたのですか、歴史的なことが起きたその場にあなたいたのですか、と思わせるような文章を書くね。

 

ことばの食卓/武田百合子

ひとつ目のエッセイとして入っている「枇杷」はこの先読むどの武田百合子の文章も超えないだろうなと思う。武田百合子は作家でもなんでもなくてただ夫に言われて日記をつけていただけなのにどうしてこんなにみずみずしい文章を書くのだろうね。牛乳を戻してお風呂を白濁させてしまう話が印象に残っている、あと牛乳屋の少年

 

柔らかい土をふんで、/金井美恵子

閉鎖的だけれどそこにあるものをなにひとつとして描き落とすまいとするような書き方。あまりにも文章が長いので初め読んだとき笑ってしまった。時間があちこち前後しながら同じことを書いているようでそうでないみたいな作品は読んだことがなくて新鮮だった。最後の解説がなかったらちんぷんかんぷんだったこと間違いなし。

 

すべて真夜中の恋人たち/川上未映子

ことばにするのを待ってくれるひと、出てきたことばをそのまま受け止めてくれるひとがいること、そういうひとが目の前にいて自分のなかに浮かんだことばを安心して口にできるというのはなんて理想的なんだろうね。

 

百年の散歩/多和田葉子

七つの願いに「一生言語的興奮に見放されないこと」というものがあったりとかして割とずっとエッセイだと思って読んでいた…。なんて頭の柔らかい! おやじギャグがパッと浮かぶ人は頭がいい、みたいにいうことがあるれどそれの究極なのでは、と思った。(こんな言い方をするのは失礼だと思う気持ちもある)

 

 

U-NEXTのトライアル期間が終わってしまうから焦って映画を観ているのだけど、そのなかで「チャオ」ってフランス語か、中国語だと思ってた、というのをまたやってしまった。人生で二回目、一体頭のどこから抜け落ちたの? これは結構まぬけ